回復期リハビリテーション
回復期リハビリテーションについて
回復期リハビリテーションとは、脳卒中や骨折などの発症や手術後、急性期治療後を終了し全身状態が安定した患者様に対して、日常生活活動能力の向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的として、積極的に行うリハビリテーションです。 当院の回復期リハビリテーション病棟では、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカーがチームを組み、共同でリハビリテーションに取り組みます。
回復期リハビリテーション病棟にご入院の患者様は土・日曜日・祝日に関係なく、週7日リハビリを実施しております。退院に向けては、必要に応じて、ご自宅の環境を評価し、手すり設置や福祉用具の提案などを行う家屋評価も実施させて頂いております。
入院できる疾患と入院期間
回復期リハビリテーション病棟へ入院する対象者は、厚生労働省が疾患などの条件や入院期間を定めており、専門の医師による判断が必要です。
対象疾患ごとに入院期間は定められています。例えば脳血管疾患や頸髄損傷などは、最大入院期間180日。大腿骨や骨盤などの骨折は、最大90日の入院期間が定められています。
回復期のリハビリを受けるには、治療・手術を受けた急性期病院から回復期リハビリ病院に診療情報提供書を送ってもらい、入院の可否が決定します。まずは入院先の看護師または、連携室や連携担当者へ相談してみてください。「命を救う」ことを使命としている急性期病院での入院は症状が安定するまでですが、回復期リハビリテーションでの入院期間は最大180日(疾患により異なる)と、長期入院が可能です。
回復期リハビリテーションの特徴
リハビリテーションが受けられる施設には、「急性期病院」「回復期リハビリテーション病棟」「クリニック」があります。
中でも「回復期リハビリテーション病棟」では、命の危険を脱するための急性期の治療を終え、自宅や社会に戻ってからの生活を少しでも元に近い状態に近づけるためのリハビリテーションを専門に行っています。入院期間は最大180日(疾患・状態により異なる)、リハビリテーションは時間1日最大3時間を行い、社会・在宅復帰をめざします。
厚生労働省により、リハビリを行う時間は1日最大9単位=3時間(1単位=20分)までと長時間認められています。患者さまの体への負担を考慮しながら、長時間リハビリを続けるのが難しい状態のときは1回のリハビリ時間を20分や40分と短くして数回に分け、長時間頑張れそうなときには、60分を3回行うなど組み合わせて行います。
当院のような回復期リハビリテーション病棟を有する施設のメリットは最大3時間のリハビリ訓練だけでなく、起床時から就寝時までの間、食事や着替え、歯磨きや整容、排せつなど日常的な動作も含めた生活そのものをリハビリととらえたサポートが受けられること。夜間の排泄時の補助なども含めた、24時間の手厚い看護が大きな特徴です。
他にも、安心してご自宅に帰れるよう、退院前に患者さんと一緒にご自宅へ伺い、家庭内の改修・補助器具導入の調査や自宅の段差などに合わせて強化したい訓練の見極めを行う家屋調査。また、退院後に使える介護保険申請のお手伝いや各種サービスの調整など、在宅への復帰に向けてさまざまな取り組みが行われています。
チーム医療で患者様をサポートします
回復期リハビリテーションでは、患者さんが一日も早く快適な日常生活を送ることができるよう、各分野のスペシャリストたちが医療・介護サービスを提供します。医師、看護師、薬剤師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、看護補助者、医療ソーシャルワーカーといった、各職種がチームとなり、医療・介護を行い、脳障害や運動マヒをはじめとする後遺症の回復や、日常動作の改善・向上をめざします。
患者さん一人ひとりに合わせた計画を立て、専任のスタッフによるリハビリテーションを実施。入院中のみならず、各種手続きや情報提供など、退院し社会や家庭に復帰できるようサポートを行える環境が整っております。
各スペシャリストが施設にそろうことで、「リハビリテーションだけ」「治療だけ」ではなく、入院検討中から、在宅復帰・社会復帰を実現するまで、段階に合わせて適切なサポートを行います。